2024年10月に話題になった時事ニュースまとめ

【政治】石破内閣が発足（10月1日）

1日召集の臨時国会で第102代首相に指名された。同日夜、石破内閣が発足。官房長官は林芳正氏が再任する。なお、石破首相は9日にも衆院解散する見通し。

石破首相が所信表明演説「国民の信頼を取り戻す」（10月4日）

裏金問題による政治不信に対して、納得と共感を得られる政治により国民の信頼を取り戻すと抱負。政策の柱としては「ルールを守る」「日本を守る」「国民を守る」「地方を守る」「若者・女性の機会を守る」の5つを挙げた。石破首相は過去に地方創生担当大臣だったこともあり、特に地方創生に力点。地方創生交付金の予算の倍増を目指すと明言した。

牧原新法相が旧統一教会との関係を認める、「現在は関係ない」と強調（10月8日）

2005年以降、旧統一教会関連のイベントに37回出席していた（秘書のみの出席も含む）。また、旧統一教会の関係者による選挙ボランティアも受けていた。自民党が2022年9月に行っていた旧統一教会との関係調査には報告せず、2023年2月に別途に報告していた。

牧原法相は、現在は旧統一教会との関係ないと説明。法相辞任は否定した。

裏金関連議員12人を次期衆院選で公認せず、石破首相（10月9日）

下村元文科相、西村元経済相、高木元国対委員長、萩生田元政調会長ら重鎮議員を含む12人を非公認に。

関連 ▶ 非公認候補の政党支部に2000万円を支給、自民党が事実認めるコメント（10月23日）

衆院選の公示後、裏金問題で非公認となった自民党議員に対して政党交付金として2000万円を支給していた。自民党の森山幹事長は支給の事実を認めたうえで、選挙のための交付金ではなく、党としての活動のための交付金であると説明した。

石破首相が衆院解散、解散名「日本創生解散」（10月9日）

15日公示、27日投開票。石破首相が記者会見。（恒例の）解散名は「日本創生解散」と命名。石破政権として掲げる、地方創生を通じた日本創生の是非めぐり国民からの信任を問うとしている。

関連 ▶ 二階元幹事長、菅直人元首相ら引退（10月9日）

自民党の二階俊博氏（85歳）、立憲民主党の菅直人元首相（77歳）ら次期衆院選に出馬せず。

【衆院選】自民党が大敗、与党全体でも過半数割れ（10月27日）

出典：衆議院選挙2024｜NHK

自民党は改選前247議席→191議席に減少。公明党と合わせて215議席となり（改選前279議席）、過半数の233議席を割った。代わって旧民主党政党が躍進。立憲民主党が改選前98議席→148議席、国民民主党が改選前7議席→28議席に伸ばした。

自民党の裏金問題で公認を得られず、無所属で立候補した自民党議員12人のうち7人は落選。重鎮議員では高木毅元国対委員長、下村博文元文科相が落選した。西村康稔元経済相、萩生田光一元政調会長らは非公認ながら当選した。

衆院選の投票率は53.85%、戦後3番目の低さ（10月28日）

前回の衆院選は55.93%だったが、ここから2%近く低下。戦後最低だった2014年の衆院選の投票率（52.66%）水準に。選挙の主な争点が政策論争ではなく裏金問題だったこともあり、投票への興味関心が薄れた可能性。

公明党の石井代表が辞任表明、衆院選での落選に伴い（10月31日）

石井代表は今年9月に公明党の新代表に就任。公明党15年ぶりの代表交代として注目を集めた。先の衆院選で公明党は副代表の佐藤茂樹氏も落選しており、議席数は32→24に減らした（関連記事）。

物理学賞に「AIの父」ことジョン・ホップフィールド氏ら（10月8日）

ジョン・ホップフィールド氏、ジェフリー・ヒントン氏に物理学賞。両氏らAI（人工知能）の開発手法たる”ニューラルネットワーク”に関する論文を1980年代に発表。AI業界の先駆者として知られる。もともと物理学と生物学を融合し、人間の神経細胞の働きを機械的に再現するところから始まった経緯あり、AIながらも物理学賞での受賞となった。

化学賞にGoogle幹部ら3人を選出、AIでたんぱく質の構造を予測する技術を開発（10月9日）

GoogleのAI関連子会社のデミス・ハサビスCEO、その部下のジョン・ジャンパー氏、米大学のデイビッド・ベイカー教授の3人が同時選出された。AI技術を活用して未知のたんぱく質構造を予測。新薬開発への貢献が評価された。

文学賞に韓国の作家、ハン・ガンさん（10月10日）

アジア人女性がノーベル文学賞を受賞するのは初めて。独特な死生観と革新的な散文が評価された。

平和賞に日本の被爆者団体（10月11日）

日本原水爆被害者団体協議会（通称”日本被団協”）がノーベル平和賞を授賞。70年近くにわたる草の根運動により、国際的な核兵器タブー世論を作り上げた点が評価された。近年は広島の原爆資料館への外国人観光客が増加（関連記事）。映画『オッペンハイマー』の公開＆ヒットも核世論に多分に影響。

授賞を受けてオバマ元大統領（米国）も祝意。オバマ元大統領は2016年、現職の米大統領で初となる広島訪問した。

経済学賞にダロン・アセモグル米教授ら、『国家はなぜ衰退するのか』著者（10月14日）

米大学の教授ら3人が同時受賞。国ごとの貧富の差を社会制度の観点から分析。「法の支配」の確立と経済発展に相関あることを証明した。受賞者のダロン・アセモグル教授、ジェイムズ・ロビンソン教授は2013年度のベストセラー書籍『国家はなぜ衰退するのか』の著者として知られる。

【男子バスケットボール】Bリーグ1部を「Bプレミア」として再編成、2026年シーズンより（10月17日）

⋱速報⋰
B.PREMIEREライセンス審査に合格した22クラブが発表されました。#Bプレミア #Bリーグ #りそなグループ #B革新 pic.twitter.com/QviZPT4j7O

— B.LEAGUE（Bリーグ） (@B_LEAGUE) October 17, 2024

全国22チームが2026年シーズンより「Bプレミア」に参入する。1部リーグではあるが、チームごとの平均入場者数や売り上げなど経営面を重視。からなずしもリーグ順位だけで参入できるわけではない。Bリーグは2015年に発足した日本バスケの完全プロリーグ。従来はプロ・アマ（実業団）入り乱れていた。

イランがイスラエル領内に向けてミサイル攻撃を実施（10月1日）

180発以上のミサイルを使った大規模攻撃に。「ヒズボラ」はイランが政治的・経済的に支援して設立された経緯あり、現在なおイラン政府との関係が深い。イラン政府はミサイル攻撃の事実を認めたうえで、ヒズボラの指導者が殺害された件に対する報復攻撃との見解を示した。

続報 ▶ イスラエル軍がイラン領内の軍事施設にミサイル攻撃（10月26日）

イスラエル政府は自衛的な措置との見解。イラン政府は攻撃により兵士2人が死亡したと発表。攻撃は国際法違反だと主張した。

イスラエル軍が国連軍を攻撃、派遣40カ国がイスラエルを非難する声明（10月13日）

レバノンに在留している国連レバノン暫定軍（UNIFIL）に対してイスラエル軍が攻撃。隊員数名が負傷した。国連レバノン暫定軍に隊員を派遣している40カ国がイスラエルを非難する共同声明。イスラエル軍による意図的な攻撃だったと主張した。国連レバノン暫定軍はイスラエルとヒズボラの紛争を停戦すべく2006年からレバノンに在留している。

ガザ情勢 ▶ 戦闘開始から丸1年（10月7日）

昨年10月7日にハマスがイスラエルに対して奇襲作戦を実施。これに対してイスラエル軍がガザ地区での大規模な戦闘を開始した。国連調査でパレスチナ住民の約4万人が亡くなった。

ハマス最高指導者を殺害、イスラエル政府が発表（10月18日）

ハマスの最高指導者、ヤヒヤ・シンワル氏の殺害を発表。昨年10月のハマスによるイスラエル奇襲作戦の首謀者とされる。ネタニヤフ首相が声明。「戦争の終わりではないが、終わりの始まりとなる」として今後も戦闘は継続する意向。

関連 ▶ 38年前の殺人事件の再審を認める判決、捜査機関が嘘の証言を働きかけた疑い（10月23日）

1986年に福井県で中学3年の女子生徒が殺害された事件の再審を認める判決（名古屋高裁金沢支部）。同事件は当時20代の男性被告人が殺人罪で起訴され、1995年に懲役刑が確定したが、以降も再審を求めていた。

有罪の証拠となった男性被告人の知人の証言について、捜査機関が不当な働きかけを行い、嘘の証言をさせていた可能性と裁判所。証言の信用性が担保できないとして再審を認めた。

カナダ企業から再度の買収提案、セブン&アイHD「精査中」（10月10日）

カナダのコンビニ大手「アリマンタシォン・クシュタール」社がセブン&アイHDに対して再度の買収提案（関連記事）。前回6兆円として算出していた企業価値（買収価格）を7兆円に引き上げた。セブン&アイHDは精査中としている。

新生・BRICS初の首脳会議、プーチン露大統領が主宰（10月24日）

ロシア、中国、インド、ブラジル、南アフリカで構成される政治・経済共同体「BRICS」。2024年1月にエジプト、UAEら4カ国が新規加盟。合計9カ国となった新生・BRICS初の首脳会議がロシア西部で開催された。

首脳宣言ではグローバルサウスとの連携強化を打ち出し。新たなパートナー国の受け入れを表明した。タイ、トルコ、インドネシアなど13カ国がパートナー国の候補とされる。ウクライナ戦争によりロシアは西側諸国からの経済制裁の渦中にいるが、そうした経済的・政治的な孤立を感じさせぬポジティブな内容に。

国連事務総長とプーチン露大統領が会談（10月24日）

グテーレス事務総長がBRICS首脳会議に参加。ロシアのプーチン大統領と首脳会談した。ウクライナ侵攻めぐり、国際法＆国際憲章違反である旨をプーチン大統領に直に伝達したとみられる（会談の詳細は不明）。

金融庁に出向中の裁判官がインサイダー取引に関与した疑い（10月20日前後）

証券取引等監視委員会が関係先への強制調査を実施。告発も視野。金融庁に出向中の30代の裁判官が、業務上で知り得た情報を基に株取引を行っていた疑い。金融庁は日本国内の株取引はじめとした金融取引を監督する立場にある。