2010年代の時事・国内ニュースをダイジェストで振り返る(2010年〜2019年まで)

     
  • 公開日:2020.1.11
  •          
  • 更新日:2023.2.11
2010年代の時事・国内ニュースをダイジェストで振り返る(2010年〜2019年まで)
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覚えているようで覚えていない2010年代の時事ニュース、国内ニュースを振り返り。

2010年代がどんな時代だったのか、空気感や雰囲気を思い出しながら(もしくは思いを馳せながら)ごゆるりと閲覧くださいまし。

※注記ない限り「首相」「大統領」などの肩書はニュース当時のものを掲載しています

2020年代の最新ニュースをチェック

目次

2010年に話題になった国内ニュースを振り返る

民主党政権が晴れのち曇り

出典:World Economic ForumCopyright World Economic Forum / Kaori Nishida – Yukio Hatoyama – World Economic Forum Japan Meeting 2009 on Flickr – Photo Sharing!, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7787866による

2009年夏に政権交代を果たした民主党。「脱自民党政治」「政治主導」「コンクリートから人へ」など政治変革を打ち出すも失速。鳩山政権の発足時はメディア各社ともに内閣支持率が70%超だったが、1年足らずで20%台まで落とした。

ネックとなった普天間基地の移設先めぐる問題では「最低でも県外」を公約とする一方、アメリカ相手には「Trust me」と自民党政権時代に決めた県内移設合意(日米合意)の履行を約束。二枚舌外交を展開した。最終的に移設先は決まらず、鳩山政権は総辞職で責任取った。

鳩山政権に続く菅政権では、衆参ねじれ国会から臨時国会(第176回国会)での法案成立率が37.8%と2000年以降で過去最低を記録した。また、元代表の小沢一郎議員めぐる党内紛争や尖閣事件での対応で後手に回り、鳩山政権に続き再び内閣支持率を20%台まで下落した。

 

尖閣事件で日中対立が強まる

尖閣諸島付近を航行していた海上自衛隊の船舶に対して中国漁船が突撃してきた尖閣事件。中国漁船の船長が逮捕されたが、日中関係の対立エスカレートを防ぐために起訴せず保釈する展開となり、批判が巻き起こった。

また、海上自衛隊が撮影した事件の録画映像を政府として隠匿する対応を取り議論を呼んだ(後にYouTubeに映像が流出した)。民主党の安全保障政策に不安を持つ人が増えたほか、対中国、対韓国の領土紛争にも関心が集まるきっかけに。

 

韓国に対する評価が急上昇

アジア通貨危機(1997年)による経済危機から一転、急激な経済成長を遂げた韓国に対する評価高まる。

李明博(イ・ミョンバク)政権下での官民合同のポップカルチャー輸出やそれに絡めた観光誘致策が注目され、日本でも同様の政策議論が始まった。経済産業省には「クール・ジャパン室」が立ち上げられ、日本カルチャーの海外輸出が論じられるように。

民間レベルではKpopが流行。少女時代、KARAの2グループが人気の火付け役となり、従来の韓国出身のJpopシンガーではなく「Kpop」として一ジャンル確立するに至った。韓国ドラマや韓国コスメなども一般的なものに。

 

AKB48が社会現象に

2005年に秋葉原で結成され、劇場公演を中心にファンコミュニティを拡大したAKB48。新曲のセンターをファンの人気投票で決める「AKB総選挙」に注目。特に2010年に開催された第2回AKB総選挙は各メディアで大々的に取り上げられ、AKB人気を確立させた。

従来のようなテレビ人気に頼らない2010年代アイドルの先駆けとなり、劇場ライブと握手会と総選挙(ファン投票)でファンコミュニティを拡大させるAKB商法を確立。数多くのアイドル、ご当地アイドルにAKB商法がフォーマット輸出され、アイドル戦国時代を切り開いた。一方で拝金的なCDの売り方に批判もあった。

 

そのほか2010年はこんなことがありました

  • JAL(日本航空)が倒産、税金で再建へ
  • 横綱・朝青龍が現役引退
  • 中国のGDPが日本超え世界2位に、日本の2位陥落は42年ぶり
  • 大阪地検特捜部の特捜部長ら逮捕、証拠改ざん(隠匿)で
  • 「改正刑事訴訟法」成立、刑事事件の時効撤廃
  • 調味料「食べるラー油」が爆発的ヒット
  • 記録的猛暑(観測史上1位)※当時
  • 所在不明の高齢者が社会問題化
  • すき家で強盗頻発

 

 

2011年に話題になった国内ニュースを振り返る

東日本大震災(311)

日本を襲った未曾有の大災害「東日本大震災」。地震、津波、原発事故と連鎖し、死者・行方不明者は1万8,000人を超えた。首都圏地域でも帰宅困難者(帰宅難民)が続出したほか、計画停電や物流マヒ、風評被害騒ぎなど多方面に影響が出た。

日本政府の原発輸出政策にも黄色信号。これまで「安全神話」言われる高い安全性を謳い文句に海外への原発輸出を進めていたが、国内外で脱原発の世論が湧き上がった。

 

1ドル=75円時代に突入、1995年の超円高を上回る

東日本大震災を受け、一転して円高(円買い)が進む展開に。東日本大震災の復興のため日本企業や日本の保険会社が円を必要とするとの海外投資家の思惑が交錯した。また、当時ヨーロッパでギリシャ経済危機(財政破綻危機)があり、地震なお安全資産とされる円に逃げる動きが続いた。

当時の民主党政権が円高対策に二の足。”口先介入”と揶揄され、一時1ドル75円台まで円高が進んだ。円高により輸出関連企業の売り上げが目減り。日経平均株価はながらく1万円を割った。

 

日本相撲協会が存続危機に

2010年に発覚した野球賭博問題(違法賭博問題)。力士や親方ら30人以上が謹慎処分となり、賭博を主導した琴光喜(当時大関)と大嶽親方(元関脇貴闘力)が解雇されるなど相撲界を揺るがす一大事件に。

野球賭博問題で一応の決着を見るも続けざまに八百長試合が発覚。これまでも相撲界では幾度となく八百長疑惑が報じられていたが、今回は電子メールの存在から八百長の事実が確たるものに。八百長に関与した力士23人が引退。65年ぶりとなる本場所中止、巡業中止に追い込まれた。当時の放駒理事長は「相撲の歴史における最大の汚点」と述べ猛省。

 

SNSが本格流行

 

2000年代後半から普及し出したSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)。スマホの普及で日常的にインターネットを使う人が増えたことでSNSが暇つぶしツールとしてポジション確立。

特にtwitterが日本人風土とあい、2010年には「なう」が流行語に。2012年のサッカー女子W杯では、なでしこジャパンの優勝が決まった瞬間のツイート数が世界最高記録を更新した。

(当時)世界1億ユーザーを突破した実名制SNS「facebook」も日本でも知られるように。インターネット上での実名/匿名論争に一躍買ったほか、海外では「アラブの春」の立役者として取り立てられた。

 

そのほか2011年はこんなことがありました

  • なでしこジャパンがサッカーW杯初優勝
  • クーポンサイト「グルーポン」が提供したスカスカおせちが炎上、米国本社が謝罪
  • ユッケ集団食中毒 牛の生レバーが提供禁止に(2012年より)
  • 【陸山会事件】小沢一郎議員を起訴(後に無罪確定)
  • 京大入試でカンニング、試験時間中にヤフー知恵袋に問題投稿
  • 「世界一幸せな国」ことブータン国王夫妻が来日
  • タイガーマスク運動、「伊達直人」名義でのランドセル寄付が続く
  • 世界的アノニマス騒ぎ(ハッキング騒ぎ)、ソニーも標的に
  • オリンパスの粉飾が発覚、損失を10年以上にわたり「飛ばし」

 

 

2012年に話題になった国内ニュースを振り返る

民主党政権が終焉、再び自民党政権へ

消費税10%増税法案(社会保障と税の一体改革)を成立させるべく野田首相が「近いうち解散」を言明。自民党、公明党との間で合意取り付けた。法案は成立したが、以後3ヶ月近く解散されない異例の事態となり、いつ解散するのかと安倍首相(当時は安倍代表)と舌戦を繰り広げた。

2012年12月に解散総選挙となり、3年ぶりに自民党が与党に返り咲いた。

自民党、民主党に続く第3極政党として注目された「日本維新の会」も54議席を獲得。民主党の57議席に肉薄する躍進みせた。当時の日本維新の会は橋下徹と石原慎太郎というビックネームが共同代表を務めており、連日ニュースを賑わせた。

 

日中・日韓関係が最悪期に

出典:内閣官房 尖閣諸島|内閣官房 領土・主権対策企画調整室

尖閣事件を機に尖閣諸島や竹島など日本が抱える領土紛争が広く知られるように。対中国では日本政府による尖閣諸島の買収により関係悪化。歴史的と言われる大規模な反日デモが巻き起こった。

対韓国ではKpopブームなどで友好ムードにあったが、仏像盗難問題、李明博大統領の竹島上陸問題、竹島プラカード問題などが相次ぎ関係冷却化。野田首相が李明博大統領に送った親書が書留郵便で返送される最悪期を迎えた。

 

オウム事件の元幹部ら相次ぎ逮捕

出典:アンダーグラウンド (講談社文庫)(Amazon)

地下鉄サリン事件から17年。2011年の年末に元幹部の平田信被疑者が出頭。続けて高橋克也、菊地直子ら手配犯が相次ぎ逮捕され、一気にオウム事件が動き出した。

2018年にはオウム事件の刑事手続き(裁判など)が終結。松本智津夫死刑囚こと麻原彰晃元代表の死刑が執行された。一連の裁判での起訴数は192人、死刑判決13人という日本史上稀に見る組織犯罪に。

 

「ブラック企業」が一般用語化

出典:By MiNe from Taipei, Taiwan – MiNe-M5_100-1663UG, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=73580084

「ブラック企業」は従来インターネット掲示板で使われていたネット用語の一つ。残業やパワハラの横行で社員の離職率が高い企業をdisる言葉だった。

ネット用語から一転、飲食チェーン「ワタミ」によって概念化。2013年には新語・流行語トップテンに選出され、名実ともに一般用語として市民権を得た。

事の発端は飲食チェーン「ワタミ」の新卒社員が月140時間の残業の末に自殺、これが労災認定されたことに始まる。都知事選に出馬するなど時の人として知られた渡邉美樹氏(当時ワタミ会長)が、長時間労働を是とする主張を繰り返し、被害者遺族と対立するなど「ブラック企業」のイメージを確立させるに至った。

 

【iPS革命】山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞

出典:By OIST from Onna Village, Japan – Lecture by Nobel Laureate Dr. Shinya Yamanaka “New Era of Medicine with iPS Cells- Message to Future Scientists“, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=80015902

京都大学の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞。iPS細胞の作製に成功し、再生医療分野に革命とも言える功績を残した。

iPS細胞とは、自身の細胞を基に作製・複製される細胞のこと。脳や体の損傷した細胞の代替細胞として活用できる。未来の医療技術として、また若返り薬にも現実味。日本政府はiPS細胞研究に1100億円規模の支援決定。次世代の成長産業として官民合同で乗り出した。

 

そのほか2012年はこんなことがありました

  • 尖閣諸島を国有化、土地の所有者から政府が20億円で買収
  • 【自衛隊】オスプレイの国内配備で世論二分
  • 【ロンドン五輪】日本男子サッカーが初の4強入り
  • 【尼崎事件】一家から8人の変死体見つかる、複数家族が擬似家族として共同生活
  • 【大津いじめ自殺事件】「いじめた側にも人権」として教育委員会が機能せず
  • 京都祇園で軽ワゴン暴走、てんかん持ち運転に議論
  • 笹子トンネル崩落事故
  • ソニーやパナソニックら家電大手の赤字決算続く
  • 日本でLCC(格安航空会社)ブーム到来
  • 東京スカイツリー開業

 

 

2013年に話題になった国内ニュースを振り返る

安倍カラー1年目

出典:内閣府公式YouTubeチャンネル

政権与党に返り咲いた自民党が、デフレ脱却による賃金上昇、経済成長を目指す通称「アベノミクス」を敢行。日銀による年60兆円規模の市場資金供給、これまでにない異次元の金融緩和を行い、その本気っぷりを国内外に見せつけた。

アベノミクスを受け、日経平均株価は1万円台を回復。円相場も1ドル=100円台の円安時代となり、輸出関連企業を中心に増収増益を記録した。他方、物価上昇、賃金上昇に目立った動きがみられず、その効果を疑問視する声も。

観光ビジネスによる経済成長を謳う「観光立国」も打ち出し。これまで日本は外国人観光客のビザ発給数を極めて制限してきたが、近隣諸国を中心にビザ発給要件を緩和。外国人観光客は2012年時点で年間800万人ほどだったが、2019年時点で3,100万人まで増加した。

 

スマホ時代到来、ドコモがiPhoneの取り扱い開始

2010年に日本含めて世界的なヒット商品となった「iPhone 4」。当時まだ日本国内ではソフトバンクしかiPhoneを取り扱っていなかったが、2011年にauが、2012年にはドコモがiPhoneの取り扱いを開始。一気にiPhoneブーム、スマホブームが進んだ。

スマホアプリも本格普及。「LINE」が日本のみならず世界的にヒットした。また、携帯ゲームのプラットフォームとして知られたグリーやモバゲーに属しない「パズドラ」(パズル&ドラゴンズ)が課金しなくても楽しめるゲームとして人気に。

同時に”バカッター”ことSNSでの悪ふさげ投稿が炎上する機会が増え、企業や学校が対策求められる時代に。

 

体罰に厳しい目

全国区の有名スポーツ校で相次ぎ体罰発覚、社会的な関心を集めた。体罰指導を熱血指導とし、「体罰」との認識がない暴力行為にブラック企業に通づる昭和的価値観を見い出す人も。

 

ご当地キャラ(ゆるキャラ)が日本各地でブーム

B級グルメに続く地方活性化策として全国各地に乱立したご当地キャラ。なかでもロイヤルティーフリーで展開された「くまモン」、非公認ゆるキャラこと「ふなっしー」が全国区の人気を確立し、一時代を築いた。

 

そのほか2013年はこんなことがありました

  • 「お・も・て・な・し」東京五輪の開催決定
  • 【マー君24連勝】楽天ゴールデンイーグルスが日本一に輝く
  • 【公選法改正】ネット選挙解禁へ
  • アルジェリア人質事件、日本人10人含む38人が死亡
  • 中国からPM2.5が本格飛来
  • パソコン遠隔操作事件で真犯人逮捕
  • 【東京都】猪瀬都知事が5000万円の不正借り入れ疑惑で辞任
  • ミスインターナショナル・吉松育美氏が脅迫被害を告発も主要メディアが黙殺する事態に
  • 富士山が世界文化遺産に
  • 平成生まれ作家、朝井リョウが『何者』で直木賞を受賞
  • 【ドラマ】『あまちゃん』『半沢直樹』などヒット作相次ぐ

 

 

2014年に話題になった国内ニュースを振り返る

安倍カラー2年目

1年目の経済路線の政権運営とは異なり2年目は政治的な安倍カラーが目立った。

現役首相として7年ぶりとなる靖国参拝を行ったほか、長年議論される集団的自衛権の行使解釈を変更。「新三要件」に基づく限定的な集団的自衛権の行使を可能とする閣議決定を行うなど波紋を呼んだ。

他方、国政選挙、地方選挙ともに自民党が連戦連勝。すでに「安倍1強」とされる時代に。野党は「野党共闘」「アベ政治を許さない」といったスローガンで政権に対する批判票の受け皿を自負するも支持は伸び悩んだ。

 

相次ぐ謝罪会見

朝日新聞が慰安婦問題のきっかけとなった「吉田証言」について20年来となる虚偽認定。該当記事を撤回するに至った。また、福島原発事故(2011)で原発従業員が命令違反したとする報道についても、調査録を恣意的解釈して報じていたと認めて謝罪。特に「吉田証言」に関しては日本のみならず韓国内の慰安婦問題世論にも影響を与えており、撤回が遅すぎたと批判が集まった。

そのほか、STAP細胞の論文捏造が指摘された小保方晴子氏が謝罪。聴覚障害の作曲家として知られた佐村河内守氏が障害が嘘だったとして謝罪。政治資金を使い込んでいた兵庫県議の野々村竜太郎元議員が号泣しながら謝罪。謝罪会見が相次いだ1年に。

 

自然災害続く

長野県(岐阜県)にある御嶽山が噴火、登山者58人が死亡する戦後最悪の火山災害が起きた。

広島豪雨こと平成26年8月豪雨では、数百年に1度と言われる集中豪雨となり、土砂崩れなどで77人が死亡した。この「数百年に1度」「数十年に1度」と形容される災害が、ここ最近では例年のように見られる。

 

YouTuberが職業として知られるように

小学生のなりたい職業の上位常連「YouTuber」(ユーチューバー)。2011年に一般向けのパートナープログラム(広告プログラム)が開放され、動画投稿で生計を立てる個人が増加。HIKAKINやはじめしゃちょーら人気YouTuberが誕生した。

2014年にはGoogleが「好きなことで、生きていく」としたCM展開、YouTuberの存在が広く知られるように。

 

そのほか2014年はこんなことがありました

  • ソチ五輪で羽生結弦が初優勝、男子初のSP100点超え
  • 仮想通貨取引所・マウントゴックス社が破産
  • 【ディズニー】アナ雪ブーム、日本国内だけで興業253億円突破
  • 妖怪ウォッチが小学生に大ヒット、「妖怪メダル」売り切れ続出
  • 脱法ハーブを「危険ドラッグ」に改名
  • 格安スマホ&格安SIM普及
  • 松屋で「ワンオペ」騒動

 

 

2015年に話題になった国内ニュースを振り返る

【戦後70年】安保改正法案めぐり世論二分

出典:By 多摩に暇人, CC BY 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=57210508

戦後70年を迎えた2015年。戦後70年談話こと安倍談話では、戦争を否定しつつ、安倍首相が掲げる「積極的平和主義」、海外の紛争や侵略戦争に対して積極的に関与することによる国際平和貢献について言及した。

国会では集団的自衛権の解釈変更に基づく安全保障関連法が成立。米軍の後方支援活動を法的に可能にするなど日本の戦後体制を大きく動かした1年に。同法案は違憲なのか否かの論争がメディアを賑わせた。SEALDsによる安保デモ(学生デモ)なども注目を集めた。

 

一億総活躍社会(新3本の矢)打ち出し

出典:首相官邸ホームページ

自民党の党首選で再選を果たした安倍首相。新たなスローガンとして「一億総活躍社会」を打ち出し。

日本の課題である少子高齢化に歯止めをかけ、子育て支援を通じた成長戦略を掲げた。主に希望出生率1.8の実現や待機児童問題の解消など訴え。

アベノミクス第2ステージ、新3本の矢として発表されるも、旧3本の矢のデフレ脱却もままならぬ中での唐突感が際立った。

 

【観光客爆増】日本すごい!!ブーム

出典:JAPAN -Beautiful Landscapes : Japan’s Soul-(Amazon)

安倍政権によるビザ発給緩和で外国人旅行客が急増。2015年には訪日外国人が過去最高となる年間1,973万人を突破し、わずか数年で2倍以上に増えた(2012年時点で年間836万人だった)。特に中国人旅行客による爆買い、インバウンド特需が各業界を賑わせた。

同時にテレビ各局では外国人が日本を礼賛する「日本すごい」番組が増加。外国人が日本をひらすらに褒め称える内容に気持ちよさ、はたまさ気持ち悪さも。

 

中東地域でIS台頭、日本人の被害も

出典:By Ggia – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=45303282

中東地域で国家樹立を宣言した武装組織ISが外国人の身代金誘拐を実行。日本人では実業家の湯川遥菜さんが誘拐され、後に殺害された。身代金誘拐への対応が欧米各国で割れる中、日本政府はISをテロ組織と認定。身代金支払いの一切を拒否し、その対応めぐり世論二分した。

欧州や東南アジアでもISテロが頻発し、日本人の海外渡航先にも影響した。

また、IS台頭により現地から逃れる難民(シリア難民)が急増。トルコ沖に打ち上げられたシリア難民の子供の写真が日本でも関心を集めた。年に数十人しか難民を受け入れていない日本の難民政策に一石を投じた。

 

LGBTへの関心が高まる(日本国内において)

性的少数者を指す言葉”LGBT”が日本でも知られるように。渋谷区が全国に先駆け「同性パートナーシップ証明書」の発行を開始し、区としてLGBTや同性婚を認めるスタンスを提示した。

日本では従来テレビ番組などで「おかま」や「女装キャラ」としてコンテンツ消費されてきた性的少数者だが、そうした空気感にも変化が。

 

そのほか2015年にはこんなことがありました

  • 【日韓合意】慰安婦問題で「最終的かつ不可逆的な解決」合意(のちに撤回)
  • 【格差社会】トマ・ピケティ著『21世紀の資本論』が世界的ブームに
  • ラグビーW杯フィーバー、日本が南アフリカに奇跡的勝利
  • テニス錦織圭が世界ランク4位に、日本人/アジア人初
  • 【東京五輪】新国立競技場のコンペやり直し、ザハ案をコスト高いと却下
  • 東芝で不適切会計が発覚、主要部門を売却へ
  • 【沖縄県】翁長知事が辺野古承認取り消し
  • 川崎中一殺害事件
  • 選挙権が18歳に引き下げ
  • 鎌倉市図書館ツイートが話題に「学校を休んで図書館へ」

 

 

2016年に話題になった国内ニュースを振り返る

【文春砲】週刊文春がスクープ連発、政治から芸能まで動かす

出典:週刊文春 2016年 1/14 号 [雑誌](Amazon)

週刊文春がスクープ連発。芸能人の不倫ゴシップほか、甘利明経済相の口利き疑惑を報じて大臣辞任に追い込んだ。また、(当時)東京都知事だった舛添要一氏の政治資金の私用疑惑をいち早く報じた。最終的に舛添氏は都知事を辞任した。

芸能から政治まで動かす影響力が「文春砲」として知られるように。一方、その代名詞たる不倫報道に「やりすぎ」「不快」といった意見も続出し、公人のプライバシーやジャーナリズム論争にも発展した。

 

待機児童問題が国会で取り上げられる

匿名ブログ記事「保育園落ちた日本死ね!!!」がNHKや国会で取り上げられ、同年の流行語にも選出された。

待機児童問題について訴えており、安倍首相いわくの「一億総活躍社会」で掲げられた待機児童問題の解消が進んでいないことに苛立ちを見せた。論調にあらかた支持が集まる一方、「○○死ね」を声高に叫ぶネットならではの物言いを毛嫌いする声も。

 

ヘイトスピートが定義化(日本国内において)

在日コリアンが多く住む神奈川県川崎市にてヘイトスピーチデモが問題に。ヘイトスピーチを直接規制する法律や条例はなく、川崎市では「都市公園条例」によるデモ禁止を命じるのが限度だった。あくまでデモ行為は憲法で認められた権利(表現の自由)であり、デモ禁止と憲法との兼ね合いが議論になった。

そうした中で政府がヘイトスピーチ解消法を制定。ヘイトスピーチを「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」と初めて定義化。地方自治体などにヘイトスピーチ解消に向けた取り組みを義務付けた。

 

エンタメ大時代到来

従来オタク趣味とされたアニメ・ゲーム・特撮など相次ぎヒット。米Googleから独立したナイアンティック社が手がけたスマホゲーム「ポケモンGO」が日本のみならず世界で流行したほか、これまでアニメオタクにしか知られてなかった新海誠監督が映画『君の名は。』でメジャー作家に。興行収入は250億円を超えた。

また、ピコ太郎が発表した楽曲『PPAP』が国内外でバズり、一躍時の人に。

 

そのほか2016年はこんなことがありました

  • 【電機大手】シャープが台湾企業傘下に
  • 熊本地震で関連死が200人超、熊本城も被害
  • SMAP解散、ジャニーズ事務所の内紛が公に
  • G7伊勢志摩サミット
  • 米オバマ大統領が広島訪問
  • バングラデシュテロ、日本人7人含む22人死亡
  • 北朝鮮がミサイル連射
  • 【相模原障害者施設殺傷事件】元職員が障害者19人を殺害
  • WELQ医療キュレーション問題

 

 

2017年に話題になった国内ニュースを振り返る

トランプ大統領に振り回される

出典:ホワイトハウス公式facebook

歯に衣着せぬ発言が注目を集めた実業家のドナルド・トランプ氏。泡沫候補から一転、まさかの米大統領に就任。TPPやパリ協定はじめとした国際協定から相次ぎ離脱表明、日本政府も振り回された。

大統領候補時代には日米同盟の有用性についても疑問を呈しており、大統領就任前に安倍首相が訪米して会談するなど神経尖らせた。

 

【森友・加計問題】安倍政権に逆風

政府による森友学園への国有地安売り疑惑から始まり、加計学園の獣医学部開設の優遇など、安倍政権が便宜を図ったとして1年以上にわたり釈明に追われた。不正である確たる証拠はないが、それとなくよきに計らったであろう、まさしく「忖度」なる政治の世界が垣間見えた。

また、2018年には森友問題の関連文書(公文書)の改ざんが発覚。国会答弁に合わせて内容が書き換えられていた。財務省主導の書き換えとして佐川局長が辞任に追い込まれた。

 

あおり運転(危険運転)が社会問題化

東名高速道路でのあおり運転事故に社会的な関心集まる。あおり運転の末に路上口論となり、4人家族のうち夫婦2人が後続車の追突で亡くなった。停車中の死亡事故とあり、あおり運転など危険運転を処罰する危険運転致死傷罪が適用できるのかどうかが焦点となった。

かねてより存在した自動車での「煽る」という行為だが、ドライブレコーダーやSNSの普及により身近な話題としてシェアされるように。

 

【億り人】仮想通貨ブームのち失速

仮想通貨の代表格たる「ビットコイン」が何年ぶりかの盛り上がり。日本政府が世界に先駆け仮想通貨を「貨幣」認定。金融庁による安定管理を義務付けたことから信用力がアップ。そのまま価値急騰した。仮想通貨で億単位の利益を得た人、通称”億り人”がプチブームになった。

ただ、仮想通貨そのものの価値を担保するものが曖昧であり、単なるバブルとの声も。最中、仮想通貨の大手取引所・コインチェックで仮想通貨の流出事件が発生。これまで度々信用崩壊してきたビットコインだが、再び冬の時代に。

 

中国すごい!!ブーム到来

出典:荒野行動 公式サイト

中国を当て馬にした「中国すごい、対して日本は…」なる論調が各メディアで流行。シェアサイクルやQRコード決済、スマホ、スマホゲーム、アニメなどの分野で日本と中国の実情を比較し日本の後進ぶりを主張。および日本の将来を嘆く論調が相次いだ。

中国にGDPが抜かれ、将来展望もよろしくない日本だが、テレビでは日本すごい番組(日本礼讃番組)が連日放送されており、このギャップが違和感として噴出した形に。

 

そのほか2017年はこんなことがありました

  • 【東京都】小池都知事が「都民ファーストの会」を結成、豊洲問題(盛り土)で世論を味方に
  • 共謀罪(テロ等準備罪)制定に反対運動
  • 【インスタ映え】Instagram大流行、ナイトプールに女子集う
  • 桐生祥秀が日本人男子初の100m9秒台
  • 中学生プロ棋士・藤井聡太が時の人に、公式戦29連勝
  • 浅田真央が現役引退
  • 眞子さまが婚約発表のち延期
  • ヒアリが日本上陸、国内定着した可能性
  • Nintendo Switchが大ヒット
  • 首都圏鉄道で痴漢逃走相次ぐ
  • 【座間事件】ワンルームから9遺体が見つかる

 

 

2018年に話題になった国内ニュースを振り返る

「働き方改革」が社会スローガンに

ブラック企業批判から始まり、2016年の電通社員の過労死自殺、日本の労働力不足の顕在化、外国人労働者の受け入れ等々めぐり、労働生産性の向上や労働環境の改善を掲げた「働き方改革」が社会スローガンに。

毎月最後の金曜日の午後に休暇を促す政府主宰キャンペーン「プレミアムフライデー」が始まり、飲食店や映画館などプレミアムフライデー関連の割引を提供するなどした。ただ、思いのほかキャンペーンが浸透せず、徐々にフェードアウトしてきた感も。

国会では多用な働き方を推奨すべく「高度プロフェッショナル制度」、高度職業での裁量労働適用が議論された。ただ、そもそも日本社会で裁量労働できるのか、長時間労働を招くだけではとの厳しい意見が出た。

 

スポーツ界の不祥事相次ぐ

日本大学アメフト部員による反則タックル、および反則を煽った内田正人監督へのパッシング続く。傷害容疑で監督、コーチ、選手ともに告訴されたが、いずれも不起訴処分となり、明確な反則指示は立証されず。

相撲界では、元横綱・日馬富士の暴行を受けた貴ノ岩の処遇めぐり、日本相撲協会と監督元の貴乃花親方が対立。暴行事件の報告を怠ったとして貴乃花親方の理事解任が決定。貴乃花一門が解散するに至った。かつてのスターで不遇の扱いを受けてきた貴乃花への同情世論から日本相撲協会へのパッシングが加熱した。

 

ジェンダー世論の高まり

欧米での#metoo世論を受けたフェミズム論争、また、LGBTなど性的少数者に関するジェンダー論争が日本でも一般的に。

全国9大学の医学部では男性優遇と取れる点数操作が確認された。女性医師ならではの寿退社や子育て時短勤務の背景から男性医師の育成を止むなしとする業界慣例が明らかとなり、働き方改革と合わせて議論になった。

 

GAFAに対する規制論高まる

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Google、Apple、Facebook、Amazonの4社を指す”GAFA”(ガーファ)。従来は成長著しい米IT企業の総称としてポジティブに使われていたが、徐々に課税逃れや市場独占、見境ない個人情報の収集などでネガティヴな意味合いを持つように。

特に個人情報の取り扱いが非常にセンシティブな議題に。スマホの普及で収集される個人情報量が爆増。プライバシーの観点から議論を呼んだ。また、国家間を超えた個人情報データの持ち出しめぐり国家と企業の対立が強まる。EUが「GDPR」(法律)を施行し、EU域外への個人情報の持ち出しを禁止するなど対策に追われた。後に日本でも同様の法規制が作られた。

また、アプリストアや通販サイトでの一方的な規約変更がプラットフォーマー圧力、独占禁止法で定める優越的地位の濫用として認知されるように。日本でも対策法案が議論された。

 

日本人選手のスポーツ快挙続く

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日本人選手のスポーツ快挙に沸いた1年。サッカーW杯ロシア大会では、日本代表が格上コロンビアに奇跡的勝利。グループ内FIFAランキング最下位ながら決勝進出を果たした。ゴールを決めた大迫選手を称える「大迫半端ないって」が同年の流行語に選出されるなど盛り上がりを見せた。

また、女子テニスの大坂なおみ選手が日本人初となるグランドスラム優勝。続けて2019年1月の全豪オープンでも優勝を果たし、日本人初のグランドスラム2連覇、および世界ランク1位に輝いた。

平昌冬季五輪では羽生結弦が66年ぶりとなる五輪2連覇。女子カーリングこと”そだねージャパン”は銅メダルに輝いた。

 

そのほか2018年はこんなことがありました

  • 「漫画村」が社会問題に
  • 西日本豪雨で死者200人超
  • 北海道地震で大規模ブラックアウト
  • 韓国海軍による自衛隊機へのレーダー照射問題
  • eSportsの知名度が集まる
  • 渋谷ハロウィンが暴動に、軽トラひっくり返す人も
  • 安室奈美恵が引退
  • 映画『カメラを止めるな』がSNSから全国区に
  • 【振り袖】はれのひ夜逃げ騒動
  • 日産ゴーン会長を逮捕、後に国外逃亡

 

 

2019年に話題になった国内ニュースを振り返る

令和時代へ

出典:首相官邸ホームページ

2019年5月1日より令和時代に。もともと2016年に「天皇陛下のお気持ち」として天皇陛下自ら生前退位に言及しており、現行憲法で定められていない生前退位が可能なのか議論された。今回、1代限りの退位特例法が成立。約200年ぶりとなる生前退位(譲位)が実現した。

新元号は「令和」。従来は中国の古典から引用した元号が名付けられていたが、今回初となる国内古典の「万葉集」からの引用に。関連書籍の売り切れが続いた。

 

【増税】消費税が10%に、キャッシュレス還元制度もスタート

ついに消費税が10%に。もともと2015年10月に増税予定だったが、経済状況を鑑みて2度にわたり延期された。

増税に伴う景気下支え策として「軽減税率」と「キャッシュレス還元事業」が開始。特にキャッシュレス還元事業は政府による5%ポイント還元に加えて決済各社が+5%〜を加算するお祭り騒ぎに。バラマキに近いポイント還元キャンペーンが毎月展開された。

高齢者ドライバーが社会問題化

ここ何年かでニュースになる機会が増えていた高齢者ドライバーによる自動車事故。2018年には池袋暴走事故、元官僚の飯塚幸三氏(当時88歳)が起こした自動車死傷事故がながらく社会の関心の的に。事故で2人の犠牲者が出た一方、飯塚氏が一向に逮捕されず、主要メディアが「さん」付けで忖度報道したことで「上級国民」批判という形で多方面に問題が燃え上がった。

 

環境問題(プラスチックごみ問題)機運高まる

プラスチックごみの海洋流出が世界的な課題に。また、世界7割のプラスチックごみを受け入れていた中国がごみ輸入を停止。日本含め各国に余波が広がった。各国ともに脱プラスチックを掲げる中、日本もレジ袋の有料化を決定するなど対策に追われた。

こうした環境対策など含めた国連目標「SDGs」が日本でも知られるように。同年の国連会議では16歳の環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏が環境対策を訴え。しばらく沈静化していた環境問題機運が再度の高まり。

 

【ラグビーW杯】日本初開催&日本代表初ベスト8で空前の盛り上がり

出典:ラグビーW杯 桜、8強。 (サンケイスポーツ特別版)(Amaozn) 

初の日本開催となったラグビーワールドカップ。日本代表は強豪アイルランドやスコットランドを撃破する大金星。史上初の決勝トーナメント進出、およびベスト8入りを果たした。

チームスローガンたる「ONE TEAM」は新語・流行語大賞に選ばれ、まさしく2019年を代表する一大イベントに。これまでマイナースポーツ感のあったラグビー人気も加速。

 

そのほか2019年はこんなことがありました

  • 空前の「タピオカ」ブーム
  • 「老後2000万円」試算で資産形成の意識高まる
  • 台風15号&台風19号が猛威、42年ぶりに台風命名「東日本台風」「房総半島台風」
  • 京都アニメーション火災で33人亡くなる
  • 沖縄・首里城で火災
  • Yahoo!とLINEが経営統合
  • セブンイレブン「7Pay」が不正利用で1ヶ月でサービス終了
  • 目黒女児虐待死、政府も虐待対策に本腰
  • コンビニ大手3社が時短営業を制度化
  • チケット不正転売禁止法が施行

 

 

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