2023年9月に話題になった時事ニュースまとめ

JAXAの主力ロケット「H2A」47号機を打ち上げ（9月7日付）。天候不順で8月から打ち上げ延期が続いていた。ロケットには月面探査機「SLIM」を搭載。予定通りいけば来年2月前後に月面着陸する。

阪神タイガースが2005年以来18年ぶり6度目となるセ・リーグ優勝を決めた（9月14日付）。大阪・道頓堀にはファンら集結。大阪府警は道頓堀エリアに警察官1300人を動員。過去に死者を出した道頓堀川ダイブに警戒していたが、結果的に26人が川に飛び込んだ。死者は出なかった。

関東大震災は1923年9月1日の午前11時58分に発生。相模さがみ湾（神奈川県）を震源にM7.9地震。死者10万人を超す未曽有の災害に。

世界トップレベルの大学・研究機関を育成すべく政府が年数百億円を資金援助する「国際卓越研究大」制度。その支援先第1号として東北大学（宮城県）が選ばれた。支援先候補には東京大学や京都大学もあったが、大学の国際化戦略がより明確だった東北大学が一歩抜きん出た。

8月31日付で寮を閉鎖。9月1日付で無期限活動停止にした。先月5日にアメフト部員が大麻所持の疑いで逮捕されたが（関連記事）、大学としてはあくまで一個人の問題との見解を示しており、先月10日には部の活動停止を解除していた。

8月後半に警察による再度の寮の家宅捜索が行われ、部員の複数人が大麻に関与していた疑いが浮上（関連記事）。大学側は声明で「もはや個人の犯罪にとどまるところではない」として部の無期限活動停止を決めた。

バスケW杯の順位決定戦で日本がカボベルデ相手に勝利。通算3勝2敗でアジア勢1位の順位を確定。来年開催されるパリ五輪への出場を決めた。

男子バスケで日本代表が五輪に自力出場したのはモントリオール五輪（1976年）以来48年ぶり。前回の東京五輪（2021）は開催国枠での出場だった。

2019年7月に起きた「京都アニメーション放火事件」。36人に対する殺人、34人に対する殺人未遂など5つの罪で青葉真司被告人（45歳）が起訴された。青葉被告人は初公判で起訴内容を認めた。一方で青葉被告人の弁護士は、青葉被告人は精神障害により責任能力がなかったとして無罪を主張した。判決は来年1月にも予定される。

日本版DBSとは、子どもと接触する可能性のある職業の就労希望者の性犯罪歴の有無を雇用主が確認できる制度。子どもの性被害を防ぐのが目的。イギリス政府が運用しているDBSこと「ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス」の日本版として創設を検討中。

子ども家庭庁の有識者会議で日本版DBSの大枠提示。学校、保育所、児童養護施設の就労希望者に対しては日本版DBS通じた性犯罪歴がないことの証明を義務付ける。学習塾やスイミングスクール、芸能関係者（芸能事務所など）は証明義務の対象外だが、日本版DBSを使って証明確認した事業者には優良認定する制度を検討。

木村隆二容疑者（24歳）を殺人未遂や爆発物取締罰則違反など5つの罪で起訴。木村容疑者は今年4月、岸田首相の演説会場に爆発物を投げ入れて現行犯逮捕された。

米国防総省がウクライナに対する新たな軍事支援を発表。劣化ウラン弾を供与する。劣化ウラン弾は放射性廃棄物を活用した対戦車弾。核兵器ではなく通常兵器の位置づけだが、飛散による健康被害や環境被害の可能性が指摘されており、過去にも供与のたび議論に。

風力発電会社から6000万円の賄賂を受け取り便宜を図った疑い（受託収賄の疑い）。秋本氏は先月から東京地検特捜部による家宅捜索を受けており、外務政務官を辞任したほか自民党を離党した。自民党時代には脱原発＆クリーンエネルギー推進を掲げていた。

保険会社大手・損害保険ジャパン（損保ジャパン）がビッグモーター問題で記者会見。ビッグモーターによる保険金の不正請求の可能性を認識しながらビッグモーターと取引していた疑惑を認めた。白川儀一ぎいち社長が責任を取って辞任する。

損保ジャパンは2022年1月時点で内部通報でビッグモーター問題を確認。ビッグモーターに対して説明を求め、「不正はなかった」とするビッグモーターの自主調査結果を担保に2022年7月に取引再開していた。取引再開は白川社長の独断で進められ、取締役会を経ず、親会社にも報告していなかった。

ネクステージはビッグモーターに次ぐ業界2位の中古車販売業者。先の週刊誌報道でビッグモーター同様の保険金の不正請求疑惑や保険契約の捏造疑惑など報じられていた。ネクステージ社は報道の内容を一部認めたうえで関係した社員7人はすでに懲戒処分にしており、報じられるような組織ぐるみの不正ではないと説明した。

8日時点で斉藤鉄夫国交相がネクステージ問題に言及。国交省として事実関係の確認など調査する意向を示した。

“HIKAKIN”や”はじめしゃちょー”を抱えるYouTuber事務所「UUUM」。経営不振からネット広告会社のフリークアウト社に身売り。8日付でTOB（公開株式買付け）が成立した。上場廃止はせず、フリークアウト社の傘下で経営再建を目指す。

UUUMは2013年に創業。YouTuberブームの勢いに乗り2017年に上場した。一転、ショート動画（短尺動画）の普及で昨年度は赤字に転落。稼ぎ柱たるロング動画（長尺動画）の再生時間が減少。ロング動画通じた広告収益の減少の影響をもろに受けた。ショート動画は収益化の手段が限られており、次数年と経営環境は厳しい見通し。

先月の女子サッカーW杯の優勝セレモニー最中に起きたキス問題。スペインサッカー連盟のルビアレス会長が優勝したスペイン代表選手の唇にキス。キスされた選手が今月5日に刑事告訴。性的暴行及び強制わいせつの罪で8日付でルビアレス会長が起訴された。

ルビアレス会長は「選手との間でキスの同意があった」「悪気があったわけではない」などと説明していた。

インドで開催されたG20サミット。全会一致が原則の共同宣言が採択された。

共同宣言ではウクライナ情勢に言及。「領土獲得を目的とした武力による威嚇や行使を控えるよう求める」と明記した。一方でロシアを名指しで批判せず。議長国のインドが西側諸国とロシアの双方の肩を持ち、第三極（グローバルサウス）としての立ち位置を示した。ロシアは共同宣言を評価。ウクライナは共同宣言を批判した（※ウクライナはG20に含まれず）。

フランスで現地時間9日から開催されるラグビーW杯。日本代表は1次リーグの初戦でチリと対戦。42-12で勝利飾った。テレビ視聴率は関東地方で19.7%、関西地方で17.9%とこちらも好調。

経営難から9月1日時点で事業停止。自己破産する方向で話が進んでいる（関連記事）。ホーユーは広島県に本社がある食堂経営会社。学校給食はじめとした食事を全国150施設に提供している。

2001年9月11日に起きたアメリカの同時多発テロから今年で22年。民間旅客機4機がハイジャックされ、ニューヨークの世界貿易センタービルや米国防総省（ペンタゴン）に突撃。死者3000人弱を出すアメリカ史上最悪のテロ事件に。

Appleが新製品発表会を開催。iPhoneの新作モデル「iPhone 15」を発表した。iPhoneシリーズでは初となるUSB Type-Cコネクタを採用。Appleは初代iPhone（2007年）以来、これまで自社独自の充電規格を採用してきたが、昨年成立したEUのUSB Type-C統一ルールの軍門に下った。

北朝鮮の金総書記がロシア訪問。4年ぶりにプーチン露大統領と首脳会談した。ウクライナ情勢に関して金総書記はロシア支持を表明。西側諸国との戦いを「帝国主義との戦い」と表現した。プーチン露大統領は北朝鮮との軍事協力の可能性を示唆した。

第2次岸田内閣発足後、2回目となる内閣改造を実施。岸田首相いわく「変化を力にする内閣」。内閣の要となる経済産業大臣には西村康稔氏が留任。物価高対策など目下の経済対策については新藤義孝しんどう よしたか経済再生担当大臣が舵取り担う。官房長官は松野博一氏が留任する。

ハンター・バイデン氏（53歳）を連邦法違反など3件の罪で刑事起訴。虚偽の薬物利用歴を提示して銃を購入・所持した疑い。アメリカでは違法薬物の常習者が銃を購入するのを連邦法で禁止している。現職の大統領の息子（親族）が刑事起訴されるのは米国初。ハンター・バイデン氏の弁護士は、共和党による政治的な起訴との見解を示している。

”敬老の日”（9月18日）に合わせて厚生労働省が発表。住民基本台帳に基づく100歳以上の高齢者の数は92,139人となり、統計を取り始めた1963年以降で過去最多を更新した。総数のうち9割は女性。男性は1万人弱にとどまった。

日本各地のビッグモーター店舗前の街路樹が枯れていた問題について、警視庁と神奈川県警がビッグモーター本社を家宅捜索。令状は器物損壊容疑。同問題は一部の店舗の問題と思われていたが、すでに16都県が被害届を提出。本社レベルで組織的に何かしら指示していた疑いが持たれている。

9月10日前後からの大雨の影響でダムが決壊。リビア東部地域を中心に人的・物的被害が拡大した。リビアは2014年から内戦が続いており、ダムの保守運用や災害時の警報など機能していなかったのが被害拡大の一因とされる。

16日付で負傷者リスト入り。エンゼルスGMは大谷翔平の今シーズンは事実上終了と明らかにした。大谷翔平は右ひじ靭帯を損傷して8月時点で投手としてのシーズン終了。打者としては出場を続けていたが、右脇腹を痛めて直近11試合を欠場していた。

俳優の綾野剛らを動画配信サイトで脅迫したとして暴力行為法違反（常習的脅迫）や強要など5つの罪で起訴された。ガーシー元議員こと東谷義和被告人は初公判で起訴内容を認めた。一方で常習的に脅迫していたわけではないと一部否認した。

大麻取締法違反（所持）の罪で懲役6ヶ月、執行猶予3年の判決が確定した（東京地裁）。大麻を10年来使ってきた常習性一方、大麻事件で初犯とあり、執行猶予が付いた。

年内にも上場廃止する。東芝の上場廃止は東京証券取引所の取引が始まった1949年以降で初。今後は投資ファンド・日本産業パートナーズ傘下で経営再建を目指す。

日本テレビがスタジオジブリの議決権の42.3%を買収すると発表。スタジオジブリも同日の取締役会で株式譲渡を承認した。今後は日本テレビがスタジオジブリの経営面を担い、スタジオジブリは作品の制作に専念する。

日本テレビとスタジオジブリは1989年以来の付き合い。日本テレビは歴代のジブリ映画の主要スポンサーを務めてきた。

ヤフーニュースやLINEニュースなどインターネット上のニュース配信サイトの取引実態を公正取引委員会が調査。これまで曖昧だったニュース配信サイト事業者とニュース提供会社（新聞社や出版社など）の関係性について言明。業界最大手の”ヤフーニュース”を運営するヤフーに関しては「優越的地位にある可能性」と指摘した。

ニュース配信サイト事業者は、記事を制作している新聞社や出版社に対して記事の閲覧数（PV）に応じた収益を分配している。公正取引委員会が調査した結果、同収益はインターネット広告の相場収益の4分の1程度に抑えられていた。また、記事の掲載基準が不明瞭で恣意的なルール運用が多く、ニュース配信サイト事業者のさじ加減で記事を制作する会社の経営に影響を与えうる可能性を指摘した。

今年5月、東京・銀座の高級腕時計店で起きた3億円相当の強盗事件。同事件の実行役の18歳男性に有罪判決。強盗などの罪で懲役4年6ヶ月（執行猶予なし）。検察は懲役7年、弁護側は執行猶予付き判決（懲役3年以内）を求めていた。男性は闇バイトで強盗に参加していた。

近く対策パッケージを発表する。いわゆる「年収130万円の壁」については、連続して2年まで一時的な年収130万円オーバーを許容。扶養から外れないよう政府として調整する方向。

製薬大手エーザイと米企業が共同開発したアルツハイマー病の世界初の治療薬「レカネマブ」。アメリカに次いで日本国内でも正式承認。薬価はアメリカでは年間2万6500ドル（約400万円）と高額だが、日本では健康保険が適用される見通し。

文化庁が日本語に関する世論調査を実施。「推し」「盛る」など比較的新しい日本語表現の普及度合いを調査。全体の半数近くが「使うことがある」と回答。年代別に見ると10代、20代、30代を中心に広く言葉が普及していることが判明した。一方で高齢世代の認知度は低かった。

今年5月から続いていた全米脚本家組合が主導する大規模ストライキ。ディズニーやNetflixなどコンテンツ制作会社に対して賃上げやAI使用ルールの明確化を求めていた。

もっぱらの争点だったAI使用ルールでは「AIが生成した脚本は著作物にならない」との見解で一致。一方で脚本家の許可を得た場合のみ、AIを活用した脚本の加筆や修正を認める。もともとコンテンツ制作会社側はAI活用して脚本の修正作業などコストカットしたい考えを示しており、これに対して脚本家側が反対していた。

米テレビ局の公開オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』に日本発ダンスグループ「アバンギャルディ」が出演。優勝こそ逃したものの日本関係者では10年ぶりとなる決勝進出で注目。

「アバンギャルディ」は大阪を拠点に活動するダンスグループ。大阪府立登美丘高校ダンス部『バブリーダンス』を手がけた振付師・akaneがプロデュースしたことで知られる。