【2023年上半期】今年1月〜6月の主要ニュースを振り返る

【闇バイト】日本各地で強盗傷害事件が相次ぐ

高齢者宅や高級ブランド店への強盗傷害事件が全国で続いた。逮捕された人の中には現役自衛官や高校生もいた。いずれも高額報酬が得られる”闇バイト”として強盗傷害を請け負っていたとみられる。2月には強盗傷害の指示役とされる”ルフィ”なる男がフィリピンから日本に強制送還され逮捕された。

【米国】大手IT企業で1万人規模のリストラ続く

Amazon社の1.8万人のリストラに続き、マイクロソフト社が1万人、Google（アルファベット社）が1.2万人のリストラを相次ぎ発表。昨年11月にはメタ社（旧・facebook）が1.1万人規模のリストラを発表しており、米国の景気後退リスクに対する予防的措置として警戒広がる。

【物価高】「ユニクロ」「すき家」ら相次ぎ国内従業員の年収アップ打ち出し

昨年から続く物価高に対処すべく、あるいは海外に比べて安いと言われる日本国内の賃金水準を是正すべく大手企業を中心に賃金を上昇させる動き。ユニクロ、ゼンショー、富士通など国内社員の年収を引き上げ。

【音楽】『可愛くてごめん』がSNS流行

TikTokやYouTubeで踊ってみた動画が流行。2023年上半期を代表する1曲に。楽曲は昨年11月に発表。人気声優の早見沙織が歌唱を担当したことで声と楽曲と雰囲気が絶妙マッチ。SNS時代の自己肯定感ソングとして支持を集めた。

【社会】「スシロー」ほか飲食チェーン店で客の迷惑行為投稿が相次ぐ

回転寿司チェーン「スシロー」で客が迷惑行為をSNS投稿。類似行為が他の飲食チェーンでも相次いだ。スシローの運営会社は被害届を提出したほか、動画を投稿した少年を民事提訴。6700万円の損害賠償を求める方向で話が進んでいる（2023年6月時点）。

【ChatGPT】文章生成AIの人気沸騰、早くも規制論

昨年11月に一般公開された「ChatGPT」から人気に火がついた文章生成AIサービス。論理的かつ自然体な長文が自動生成できるとあり、未来のWord・Excelソフトと言われんばかりに注目を集めた。一方で誤情報の生成リスクやAI学習のための元ネタ情報の著作権の扱いなど課題も山積。

【2月24日】ウクライナ侵攻1年で各国に動き

2月24日でロシアによるウクライナ侵攻から丸1年。バイデン米大統領はウクライナの首都キーウを初訪問してロシアを牽制。対してプーチン露大統領は米露間の核軍縮条約「新START」の履行を一時停止すると表明し、核戦力で揺さぶり。最中、中国政府がウクライナ停戦を仲介する方針を表明。これまでの傍観姿勢を一転させた。

トルコ・シリアでM7地震、死者5万人超

トルコ南東部を震源としたM7.8地震が発生。トルコと隣国シリア合わせて死者は5万人を超えた。耐震基準を満たさない違法建築の横行で建物崩壊による被害が拡大したとの見方。

ネット用語「蛙化かえるか現象」の知名度高まる

蛙化現象とは、片思いしている相手に好意を向けられると逆に覚めてしまう現象のこと。言葉の初出は2004年と古く、心理学会に関連論文が提出されるなど主に女性に一定の再現性ある恋愛現象（心理現象）とされる。一方で今回、女性YouTuberが蛙化現象を面白半分に取り上げた動画が発掘され、炎上と共感が一気に広がった（…と思われる）。

【野球】WBCで日本が3大会ぶり優勝、MVPに大谷翔平

2017年以来の開催となった第5回WBC（World Baseball Classic）。日本代表は決勝戦でアメリカ相手に2-3で勝利。最終回の最終打席で大谷翔平がマイク・トラウトを三振に打ち取って世界一を決める劇的展開に。日本代表に加わった日系アメリカ人のヌートバー選手の知名度も高まる。

岸田首相がウクライナを電撃訪問

岸田首相のウクライナ訪問はロシアによるウクライナ侵攻後で初めて。G7の議長国としてウクライナを訪問する意向を示していた。ウクライナでゼレンスキー大統領と首脳会談を行い、対ロシア連帯で一致。また、日本とウクライナの国家関係の引き上げで合意した。

【5年ぶり】日韓関係の雪解け進む

韓国ユン大統領が対日外交方針を転換。元徴用工問題の解決策の提示や「日韓軍事情報包括保護協定」（GSOMIA）の正常化を相次ぎ打ち出し。さらには韓国の大統領として4年ぶりに来日して日韓首脳会談を行ったほか、首脳が相互国を訪問する「シャトル外交」の12年ぶり再開で合意した。

【桜シーズン】訪日外国人が月180万人まで回復

3月の訪日外国人旅行者数は181万人を記録（日本政府観光局調べ）。全体2割は韓国からの旅行者。次いで台湾、アメリカ、香港と続く。中国は団体旅行を解禁しておらず、7万人にとどまる。クルーズ船の受け付けが再開されたのに加え、桜シーズンとあって旅行者が増加したとみられる。新型コロナ流行前には月200万人台で推移しており、これに近い数値に戻ってきた。

【金融不安】アメリカの金融機関の経営破綻続く

米大手銀行「シリコンバレーバンク」の経営破綻から始まり、米シグネチャーバンク、米ファースト・リパブリック・バンクら中堅銀行の経営破綻が続いた。また、スイス大手銀行「クレディ・スイス」の信用不安にも飛び火。同業他社に救済買収されるなど動き。ここ1年の米国の利上げにより金融機関が保有している米国債の価値が目減り。評価損を埋め合わせるべく各社ともに資金調達している最中のできごとだった。

【事件】岸田首相の演説会場に爆発物が投げ込まれる

岸田首相にけがはなかった。爆発物を投げ込んだ24歳男性がその場で逮捕された。岸田首相は和歌山県の衆院補欠選挙の応援のため現地を訪れていた。党の支持者向けの演説会場だったこともあり、首相レベルが参加する会場にしては警備が手薄だった。

【国内】統一地方選挙で「日本維新の会」が躍進

日本維新の会は全国で累計774議席を獲得。目標としていた600議席を達成した。お膝元の大阪では吉村大阪府知事が知事再選。大阪市長選では政界引退した松井一郎氏に代わる維新の新人・横山英幸氏が初当選した。大阪市議会では単独過半数議席を抑えた。

【自衛隊】師団長ら搭乗するヘリが海上墜落で行方不明に

沖縄県の宮古島の周辺海域で陸上自衛隊のヘリが消失。のちにヘリの残骸が発見され、陸上自衛隊の第8師団長だった坂本雄一陸将を含む搭乗者5人の死亡が確認された（搭乗者は全員で10人）。坂本師団長は3月末に着任。幕僚長ら幹部8人を連れてヘリで海上視察していた。

【社会】卵不足＆価格高騰が続く

農林水産省調査でたまご1パック（10個入）の全国平均価格は297円に（4月調査）。例年210円〜220円の間で推移しているが、鳥インフルエンザによる鶏の殺処分が続き、卵の供給不足、および卵価格の高騰が続く。飲食チェーン店では卵関連商品の販売取りやめなどの影響も。

日本発アニメ映画の海外ヒット続く

新海誠監督の『すずめの戸締まり』に始まり、『スラムダンク』『ONEPIECE FILM RED』『スーパーマリオ』など海外だけで興行100億円を超えるヒット作品が相次ぐ。特に『スーパーマリオ』は世界興行収入が1900億円を超える歴史的ヒット。アニメ映画で世界歴代2位の興行収入を記録した。

G7広島サミット開幕

伊勢志摩サミット（2016）以来となる日本国内でのサミット開幕。ウクライナのゼレンスキー大統領も急きょ来日。ウクライナ情勢でのG7連携を確認した。そのほか、WW2後で初めてG7首脳がそろって原爆慰霊碑に献花。核攻撃をちらつかせる対ロシア牽制の意図と相まり被爆地・広島がこれまでになく注目される機会に。

新型コロナ時勢に区切り、WHOは緊急事態宣言を終了

2023年5月8日をもって日本国内での新型コロナウイルスの位置づけが感染症法上の「5類」に移行。流行状況としては季節性インフルエンザ同等レベルに。また、WHOは2023年5月5日をもって新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言を解除。2020年1月（発生は2019年12月）以来、約3年3ヶ月続いた新型コロナ時勢に区切り。

【欧州サッカー】三笘薫、古橋亨梧きょうごら日本人選手の快挙続く

三笘薫は今シーズンからイギリス1部リーグに移籍。1年目にしてゴール9本を決め、イギリス1部リーグの日本人最多ゴール数を更新した。スコットランド1部リーグ2年目の古橋亨梧は、シーズン27ゴールを決め、欧州の主要サッカーリーグで日本人初となる年間得点王に輝いた。

【事件】トレカショップで数百万円規模の強盗相次ぐ

ここ数年の世界的なトレカ高でポケモンカードや遊戯王カードなどメジャーなトレーディングカードの資産価値が高騰。カード窃盗ながら数百万円規模の被害が出てニュースになる機会が増えた。

【芸能】ジャニー喜多川元社長の性加害を告発する動き広がる

ジャニーズ事務所の元所属タレントらジャニー喜多川元社長からの性加害を告発。もともと4月に英BBCがジャニー喜多川元社長の性加害をテーマにしたドキュメンタリーを放送。同放送に対してジャニーズ事務所があらかたの内容を認める見解。数十年来と沈黙していた日本国内のマスコミも話題を取り上げるなど転機に。

【通常国会】新法案が続々成立

6月21日付で今年の通常国会が閉会。政府が提出した法案は60本（うち成立58本）。G7広島サミットに合わせて急きょ提出した「LGBT理解増進法」もとりあえずで成立した。

▼ 主な成立法案

【社会】「次元の異なる少子化対策」を来年から集中実行へ

岸田首相が表明。若年人口が急減する2030年までに少子化傾向を反転させるため、OECDトップ水準となる年3兆円半ばのこども・子育て関連予算を来年から3年間、集中投下する。児童手当の所得制限撤廃や出産費用の保険適用化を打ち出し。

【経済】日経平均株価が本格的な上昇基調に

日経平均株価は3万円を超え、3.3万円台まで回復。バブル経済最中の1990年3月以来33年ぶりとなる最高値を更新した。世界的なコロナ明けに伴う経済回復基調に加え、日本国内ではインバウンド回復や円安による輸出関連株の買い注文の広がりがプラス材料に。

【社会】マイナンバー関連のトラブル相次ぐ、政府は総点検を表明

マイナ保険証や公金受取口座などマイナンバーとは別人の個人情報と紐づけられるトラブルが数千、数万件規模で見つかった。岸田首相は政府内に「マイナンバー情報総点検本部」の設置を表明。今年秋までにマイナンバー関連データの総点検を実施する考えを示した。

【音楽】YOASOBI『アイドル』がビルボード国際チャートで1位に

6月10日付のビルボード・グローバル・チャート（Global Excl. U.S.）で首位を獲得。同チャートはアメリカを除く世界200の地域の複合セールスチャートで日本語楽曲が首位を獲得したのは史上初。TVアニメ『推しの子』の主題歌でアニメの放送開始と同時に注目を集めた。